
成人T細胞白血病とは、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)の感染により発症する病気です。
国内の感染者は約100万人と言われ、そのうち発症率はきわめて低く、1万人あたりから6人程度と言われています。
日本の南部、沖縄、鹿児島、宮崎、長崎、四国南部にキャリアが多く、国内キャリアの約3分の1を占めていると言われています。
潜伏期間が極めて長く、30年~70年と長期にわたって体内に潜伏する為、感染しても症状が出る人のほとんどが40歳以上で、60~70歳に最も多く出ます。
そのことから病名に「成人」とつくようになりました。
今のところ、どのような人が発症するのかまだ明らかになっていない病気です。

成人T細胞白血病の主な感染経路は母子感染で、母乳を通しての感染があります。
性行為での感染もありますが、性行為での感染では、精液内のヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型が原因で男性から女性への感染経路のみです。
母児間の感染は、母体が感染している場合、子供の2~3割に感染が確認されています。
夫婦間感染では、主に夫から妻へ、精液中の感染したリンパ球を媒体として感染するようですが、夫婦間間で感染した場合、成人T細胞白血病リンパ腫を発症することは、まれであるため、現在夫婦間感染に対する特別な対策はとられていません。
輸血感染は1987年に献血時のチェック検査(スクリーニング)の導入したため、現在ではなくなったと考えられます。

成人T細胞白血病の症状は男性女性ともに、同じような症状が出ます。
主な症状は、首やわきの下、足のつけ根などにあるリンパ節や肝臓、脾臓のはれ、原因不明の皮疹、血液中のカルシウム値が
上昇することによるのどの渇き、意識障害、不整脈などです。
ウイルス(HTLV-Ⅰ)に感染して悪性化したT細胞(リンパ球の一種)が、血液やリンパ液によって、 骨髄や肝臓、 脾臓、消化管、
肺など全身の臓器に広がっていきます。
症状が悪化すると、日和見感染といわれる免疫力がある通常時ではかかることの無い病気を患うようになります。

成人T細胞白血病の性行為による予防にはコンドームの使用が有効です。
出産前の女性が未感染(キャリアでない)の場合は、性行為による感染を予防することが大切です。
HTLV-1ウイルスのキャリアである母親から、赤ちゃんの20~25%に感染が起こります。
母乳による感染が多いため、ウイルスを持っている人(キャリア)は人工乳での保育がすすめられています。



